テレビをつけっぱなしで寝ることは、睡眠の質にさまざまな悪影響を及ぼす。
まず、テレビの光や音が脳を刺激し、深い眠りに入りにくくなる。
特に、画面から発せられるブルーライトはメラトニンの分泌を抑え、体内時計の乱れを引き起こす。
これにより、眠りが浅くなり、十分な休息を得られないまま朝を迎えることになる。

睡眠の質が低下すると、体にさまざまな影響が生じる。
まず、代謝が悪化し、体重が増えやすくなる。
米国の研究では、暗闇で寝る人に比べ、テレビをつけたまま寝る人のほうが太りやすい傾向があることが示されている。
睡眠不足が食欲をコントロールするホルモンのバランスを崩し、間食の増加や食欲の暴走を招くためである。
また、寝ている間もテレビの音声を脳が無意識に処理しようとするため、完全にリラックスできず、ストレスが増す可能性がある。
ニュースやバラエティ番組の騒がしい音声が脳を刺激し続けることで、自律神経のバランスが乱れ、精神的な疲労を感じやすくなる。
特に、突然の大きな音やCMの音量の変化は、無意識のうちに睡眠の妨げとなる。

記憶の定着にも悪影響を与える。
睡眠中は、その日に得た情報を整理し、記憶として定着させる重要な時間である。
しかし、テレビの音が流れ続ける環境では、脳が情報処理を続けてしまい、必要な情報が整理されにくくなる。
これにより、学習や仕事のパフォーマンスが低下する可能性がある。

寝相の乱れも起こりやすくなる。
音や光の刺激が睡眠を浅くし、頻繁に寝返りを打つ原因となる。
結果として、翌朝の目覚めが悪く、体のだるさが残りやすくなる。
さらに、夢の内容にも影響を及ぼすことがある。
テレビで流れている音声が夢に反映されることがあり、場合によっては悪夢を見やすくなる。
テレビをつけっぱなしにすることは、電気代の無駄にもなる。
特に古いテレビでは消費電力が高く、年間の電気代に換算すると無視できない額になる。
睡眠の質を落とすだけでなく、余分なコストがかかる点でもデメリットが大きい。
睡眠の質を向上させるためには、テレビのスリープタイマーを活用し、一定時間後に自動で電源が切れるよう設定するのが望ましい。
また、就寝前にはテレビやスマートフォンの使用を控え、環境音や静かな音楽を流すことでリラックスしやすくなる。
こうした習慣を取り入れることで、より質の高い睡眠を確保し、翌日のコンディションを整えることができる。
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