人間関係が長続きしないと感じる人には、いくつか共通した傾向がある。
相手との距離感がうまくつかめない、期待が先行してしまう、自分本位な接し方になってしまう、などである。
だが、これは努力次第で改善できるものでもある。

まず大切なのは「適切な距離感」を保つことだ。
仲良くなろうとするあまり、連絡の頻度が多くなりすぎたり、相手の都合を考えずに誘いを重ねたりすると、相手にとっては負担になる。
たとえば、LINEは「相手が返してくるペース」に合わせて送るように意識するとよい。
自分が即レス派でも、相手が1日1回しか返信しないなら、それに合わせる。
頻繁に連絡を取りたい場合は、内容を軽くする。
重たい話や長文を避け、「今日、近所の猫が手振ってきた」くらいの気楽な内容であれば、相手も構えずに返せる。

次に、関係が長続きする人は「小さな習慣」を持っている。
定期的に連絡する日を決める、誕生日は必ず一言でもお祝いのメッセージを送る、ふとした時に思い出したら「元気?」と送ってみる。
こうした小さな接点が、関係を細く長く保ってくれる。
たとえば、友人リストに「年に数回でも連絡を取りたい人リスト」を作り、月に1人でもいいので連絡をしてみると、気づかないうちに交流の輪が広がる。
気が進まないなら「おすすめの本ある?」のような、会話が広がる質問をきっかけにするのも効果的である。

また、人間関係がうまくいかない理由のひとつに「期待の押しつけ」がある。
友達ならこうしてくれるはず、分かってくれるはず、と無意識に理想を投影してしまう。
だが、相手には相手の事情がある。
返事が遅いのは忙しいからかもしれないし、会いたくないのは疲れているからかもしれない。
そこで意識したいのが、「してくれて当然」ではなく「してくれてありがとう」という視点である。
返信が来たら「わざわざありがとう」、誘いを断られたら「気を使ってくれてありがとう」と言うようにすれば、自分の心も穏やかになるし、相手にも気遣いが伝わる。

もし関係が疎遠になってしまったら、「時間が空いてしまったけど、元気?」と率直に伝えればよい。
多くの場合、再接続の一歩は「こちらから」踏み出すことになる。
気まずさを気にするよりも、声をかけるほうがずっと簡単だし、相手も喜んでくれることが多い。
人間関係は、サボテンを育てるようなものだ。
毎日かまいすぎると根腐れするし、放置しすぎると枯れてしまう。
大切なのは、「こまめに様子を見ながら、必要なときだけ水をやる」姿勢である。
自分がどう関われば相手にとって心地よいのか、観察と配慮を繰り返すことで、無理のない関係が築けるようになる。
そうした積み重ねこそが、友人関係を自然に長続きさせる一番の近道である。
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