よく独り言を言う人は…

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独り言を言うことには、単なる癖以上の意味がある。
実は、独り言を口にすることで脳が活性化し、思考力や記憶力、感情の整理などに良い影響を与えることが、近年の研究で明らかになってきている。

アメリカ・ウィスコンシン大学の心理学者ゲイリー・ルピアンは、被験者に商品を探させる実験を行った。
被験者の一部には探しているものの名前を声に出して言わせ、もう一方のグループには黙って探させた。
その結果、声に出していたグループの方が、より早く正確に目的のものを見つけることができた。
言葉を発することで、脳内で視覚や記憶、言語の情報が結びつき、注意力が高まることが示された。

このような脳の働きは、発達心理学でも説明されている。
心理学者ヴィゴツキーは、子どもがよく口にする独り言を「外言」と呼び、それが成長とともに「内言」へと変化していくとした。
つまり、独り言は思考の訓練であり、自分で自分に指示を出す力を育てる行動だと考えられている。
大人になっても独り言を使うことで、脳が効率的に物事を整理し、問題解決に向かって動きやすくなる。

また、独り言は感情のコントロールにも役立つ。
たとえば「大丈夫」「落ち着こう」などの言葉を自分にかけることで、脳内の不安や緊張をつかさどる部分が落ち着き、冷静さを取り戻しやすくなる。
これはスポーツ選手が試合前に使う「セルフトーク」と同じ原理である。
実際に、感情を言葉にするだけで脳の活動が変化し、ストレスを和らげる効果があることも、神経科学の研究からわかっている。

このように独り言には、集中力や記憶力を高める、感情を整える、思考をクリアにする、といったさまざまな脳の活性化効果がある。
ただの癖と思われがちだが、実際には自分の脳を上手に使うための自然な行動であると言えるだろう。

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