すぐに人を褒められる人には、心理的にいくつかの特徴がある。
まず、人を褒める行為には、他人を喜ばせるだけでなく、自分自身の心にも良い影響を与える側面がある。
心理学では、他人の良いところに気づき、それを言葉にすることは、自分の気分や自己評価を高める効果があるとされている。
これは「ポジティブな感情は、他者との関わりの中で育つ」という考えに基づいている。

また、人をよく褒める人には、共感力が高い傾向がある。
他人の立場に立って物事を感じ取る能力が高いため、相手の努力や魅力に自然と気づきやすい。
他人のちょっとした変化や良いところを見逃さず、それに反応できる感受性を持っているということだ。
脳の働きでいうと、共感に関わる「ミラーニューロン」という神経の働きが活発な人ほど、こうした他者への敏感さが高いとされている。
加えて、人を褒めるという行為は、実は自分の感情を表現することでもある。
「あなたのこういうところが素敵だ」と言葉にすることは、自分の感じたことを開示することでもあり、少しの勇気を必要とする。
そのため、すぐに褒められる人は、自分の感情を表に出すことに抵抗が少なく、人との距離を縮めることにも慣れている場合が多い。

人を褒めることを習慣にしている人は、他人との関係を大切にしながら、自分の気持ちも健やかに保っている可能性が高い。
褒め言葉は相手のためだけのものではなく、実は自分自身の心を穏やかにし、良い人間関係を育てるための手段にもなっているのである。

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