仕事でうまくいかない日というのは、決まって静かにやってくる。
努力が結果に結びつかない。
評価されない。
なぜか周りの人ばかり前に進んで見える。
そんな日は、たとえ目の前のことに集中しようとしても、心のどこかが空っぽになってしまう。
でも、そんなときこそ耳を傾けたい言葉がある。
かつて世界の重みを背負った人たちが、失敗や挫折の真っただ中でつぶやいた言葉たちだ。
華やかな成功の裏側に、泥まみれの試行錯誤と、何度もくじけそうになった瞬間があったことを、彼らの言葉がそっと教えてくれる。
イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルは、こんなふうに言った。
「成功とは、情熱を失わずに失敗を重ねられる能力である」
戦時中の勇ましいイメージとは裏腹に、彼は長いあいだ政治の世界で失敗と孤立を繰り返していた。
挽回の見込みがないと思われていた彼が、国の命運を託され、そして歴史を動かした。
うまくいかない日々が続いても、自分の中の火だけは絶やさなかった――その事実が、この言葉に重みを与えている。
もうひとつの言葉は、物理学者アインシュタインのもの。
「困難の中に、チャンスがある」
彼は若いころ、どこの大学にも職を得られず、生活のために特許庁で働いていた。
研究する時間は、仕事の合間をぬって必死に捻出していたという。
だが、その“困難な時期”に書いた論文が、物理学を塗り替えた。
ままならない環境の中でも、人は何かを生み出すことができる。
それどころか、追い詰められた状況だからこそ見えるアイデアもある。
だからこの言葉は、ただのポジティブな理想論ではない。
生きた真実だ。
同じように、自分自身の信念を最後まで貫いた人がいる。
スティーブ・ジョブズだ。
彼は言う。
「あなたの時間は限られている。
だから他人の人生を生きて無駄にするな」
誰もが知るアップルの創業者だが、その彼も一度、自分の会社を追い出されている。
すべてを失ったそのあと、彼は新しい挑戦に向かい、自分の信じるものをつくり続けた。
そしてもう一度、自分の人生を取り戻した。
この言葉には、経験からにじみ出た「自分にしか歩けない道を信じろ」という強さがある。
落ち込んだとき、誰かの評価に心がぐらつくとき、この言葉は自分の軸を思い出させてくれる。
そしてアメリカの大統領、リンカーンはこんなことを言っている。
「木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐことに使う」
失敗続きの人生から、ついに国のリーダーへと上り詰めた男の言葉だ。
すぐに成果を求められるこの時代に、「準備の時間こそ価値がある」と言い切るこの感覚は、むしろ新鮮に響く。
目に見える形で前に進めていないように思えても、地中では根が伸びている。
焦らなくていい。
今している努力は、必ず切り倒す力になる。
そして最後に紹介したいのが、発明王エジソンの言葉だ。
「私は失敗したことがない。
ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」
なんて強い視点だろう。
試して、失敗して、また試す。
私たちは仕事の中で、失敗した数を数えてしまいがちだ。
でも、うまくいかなかったというその事実もまた、前に進んだ証拠だ。
挑戦をやめない限り、それはすべて「発見」になる。
落ち込んだ日には、「まだ大丈夫」と言われても響かないことがある。
でも、「あの人も同じだった」と知ることには、ふと心が救われるような力がある。
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